泥濘 [book]

黒川博行/文藝春秋/お薦め度 ★★★★

疫病神シリーズ第七弾

桑原の今回のシノギのネタは歯科診療報酬の不正受給。”大阪府警OBや歯科医院理事長らに逮捕状”、”大阪の診療報酬詐欺、歯科医院理事長、府警OBに解決金名目で５０００万円”、”診療報酬詐欺容疑、歯科医院理事長に複数警官紹介か、逮捕の元警部補ら”・・・

最近稼ぎのない二宮は桑原の誘いに乗る。ここに疫病神シリーズの名コンビ復活？

診療報酬詐欺事件に端を発した警察OBの不祥事は、介護付老人ホーム、オレオレ詐欺へとつながっていく。そこには警察OBの親睦団体「警慈会」が大きくかかわっていた。

桑原の情報収集・分析能力、脅しのテクニック・・が老人を食い物にする腐った警察OB組織をシノギの的にして行く。

二宮は拉致監禁されボコボコにされるし、桑原は銃弾に倒れ心肺停止に・・・そこは疫病神コンビ、三途の川を渡ることなく巷へ帰還？これじゃ「泥濘」（ぬかるみ）じゅなく「泥沼」！？

これだけ体を張った割にはシノギ料が安かったかな？