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孤狼の血 [book] [柚月裕子]

sample1.jpg柚月裕子/KADOKAWA/お薦め度 ★★★★☆

日本推理作家協会賞受賞作

2015年「このミス・・・」国内編3位

各章のはじめに、日岡秀一、交番勤務を1年、機動隊を2年務めて広島、呉原東署捜査二課、暴力団係に赴任、の日誌が一行削除、二行削除の状態で示される。章の要約と思っていただければいい。

赴任早々、上司の班長大上章吾、ヤクザとの癒着が噂される刑事、から洗礼を受ける。刑事のイロハは先輩の煙草に火をつけること。また先輩と同行するときは下のもんが先を歩き先輩の盾となる・・・

時は昭和63年、組のフロント企業の金融会社社員の失踪をきっかけに暴力団同士の抗争が始まる。大上の哲学は「ヤクザが堅気に迷惑かけんよう、目を光らしとることじゃ。あとはやりすぎた外道を潰すだけでええ」。

強引な違法捜査を繰り返す大上に戸惑いながら、大上同様日岡も仁義なき戦いに巻き込まれていく。

女性作家がバリバリの広島弁で極道の世界を描いたこと、悪徳刑事?の大上が堅気に迷惑がかからないように抗争の仲介をかって出ることに驚愕!

何と言ってもラストで日誌から削除された部分、3年たらずで捜査二課に配属になったことの意味が明らかにされる。これがなければただ単に「仁義なき戦い」のオバージュに終わっていた・・・無類の衝撃が!!!

追伸:既に役所広司主演で映画化が決定、加えて第二弾「凶犬の眼」もそう遠くない時期に店頭にならぶそうだ。


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