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狗賓童子の島 [book] [飯嶋和一]

sample1.jpg飯嶋和一/小学館/お薦め度 ★★★★

「大塩平八郎の乱」に起因する物語

父、西村履三郎、大塩四高弟のひとり、が大塩平八郎と蜂起したのは常太郎が六歳の時だった。それから親戚頂けとなり九年、御年十五歳となり、流人として隠岐へ遠島を命じられる。

島民の反応は意に反し温かいものであった。それは父が出鱈目な幕政の結果、困窮する民のために蜂起、そのことは隠岐のもののためでもあったと理解していたからだった。

聡明な常太郎は医師の元に預けられ医術を学ぶ。時代は幕末、隠岐にも沢山の廻船が寄港、それにより今までにない病気が持ち込まれることになる。天然痘の予防接種、コレラ、麻疹、インフルエンザ・・・

時代は幕末、日米通商条約、桜田門外の変、尊王攘夷・・・、遠く離れた隠岐にも時代の変動が容赦なく伝わる。

そこには流人としての立場をわきまえ、病から民を救うことに専念する常太郎と時代の波に翻弄され民が・・・

NHKの大河「花燃ゆ」とシンクロする本書。隠岐から見た幕末とでも言ったらいいのかもしれない!?

「狗賓」とは山岳信仰の土俗的な神に近いもの。常太郎が狗賓が宿るとされる千年杉にお供え物をする役目を仰せつかり、無事役目を果たす。ラスト一行に表題の「狗賓童子」を登場させる件は心にくい!

著者の執念に敬服するばかり・・・


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