白光 [book] [連城三紀彦]
連城三紀彦/朝日新聞社/お薦め度 ★★★★
Who done it?
夫と娘、父の四人暮らしの平凡な家庭。父は少し痴呆症?の気が出てきたようだ。
妹の幸子はカルチャースクールに通い出し、毎週、姉の私、聡子、に娘を預けにくる。
ある夏の日、父と姪を家に残し、娘を歯医者へ連れて行き、帰ってみると、姪が殺され庭に埋められていた。
ここから「いやミス」的な展開が始まる。姉に気持ちを寄せながら、妻の男遊びを黙認してきた義弟。事件の当日、大学生とホテルにいた妹。殺された姪の父親は私の夫・・・
父は戦中、南方の島でひとりの少女を殺したことと、出兵前に妻から子どもの父親はあなたではないと告げられたことがこころの闇に巣くっていた。
かく言うわたしも、大嫌いな妹に対し、父に対し、良い子ぶる仮面をかぶっていることの闇を持っていた。
各々のこころの闇が次々に語れていく。果たしてだれが姪を殺したのだろうか?最後の一頁に背筋が寒くなるような連城マジックがさく裂する。
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