誰よりも狙われた男 [book] [ジョン・ル・カレ]
ジョン・ル・カレ/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
諜報、インテリジェンス
ドイツに密入国したやせぎすで体じゅうに傷跡のある若者、イッサ。トルコ人の家に世話になり、慈善団体の弁護士、アナベル・リヒターの支援を受ける。イッサが持っている書付によると、銀行家のトミー・ブルーがイッサを救ってくれる、と。
イッサの父親と思しき、ソ連の赤軍大佐がブルーの父親の代に作った秘密口座の存在が浮上する。
ドイツの諜報機関からチェチェンの活動家として狙われるイッサ、ドイツだけでなくイギリスの情報部、最後にはアメリカのCIAもからみ、各国の思惑、主導権争いが激しさを増す。
イッサは秘密口座に眠る資金をイスラム学者に、チェチェンの人々のためになる組織への配分を依頼する。言い換えればテロ組織への資金提供・・・
一強他弱の一強がテロリスト、情報を力技でかっさらっていく様は現実味を帯びる。
チャールズ・カミングの出現でスパイ小説が面白い。最新情報によるとジェイソン・マシューズの「レッド・スパロー」がMWA賞処女長編賞を受賞。ますますスパイ小説から目が離せない。
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