野兎を悼む春 [book] [アン・クリーヴス]
アン・クリーヴス/東京創元社/お薦め度 ★★★★
<シェトランド・シリーズ>
「大鴉の啼く冬」/CWA賞受賞作、「白夜に惑う夏」に続く第三作。
事件はシェトランド本島からフェリーで渡ったウォルセイ島で起きる。シェトランド署刑事・サンディの帰省中、祖母のミマが誤射され、遺体の第一発見者となってしまう。しかも銃を撃ったのは従兄弟のロナルド。
遺体の発見された場所は遺跡の発掘現場、上司のペレス警部とともに捜査にあたることになる。隠しごとの出来ない小さな島で起きた事故?に続き、発掘作業に携わっていた大学院生の自殺?が起こるに至り、ペレス警部は事件性を確信する。
時代設定は現代なのだが、ロンドンから遠く離れた島の時間の流れはゆるやかなもの。サンディから見たロンドンは悪の巣窟にしか見えない。ゆったりとした時間を堪能していただくしかない。
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