白夜に惑う夏 [book] [アン・クリーヴス]
アン・クリーヴス/東京創元社/お薦め度 ★★★★
CWA賞受賞「大鴉の啼く冬」続編
シェトランド島を舞台にした四部作、第二章。前作は凍てつく冬、本書は白夜の夏。なんとも好対照。
ペレス警部は画家であり現在の恋人でもあるフランと一緒に絵画展に出かける。そこで嗚咽する男に出会う。翌日、その男は仮面をかぶり首吊り死体で発見される。
続いて絵画展の主催者のひとりでもある、画家・ベラの甥の死体が・・・
狭い島における人間関係、とりわけベラを取り巻く島内、島外の人間関係を中心に物語は展開する。
淡々と物語は進む。場所とあいまって、時が止まってしまったかのように思われる。急にDNAという言葉が出ると違和感を感じてしまうほどだ。
正に「静」のミステリー。シェトランド四部作、舞台設定と物語が何ともいえない情緒をかもし出している。
コメント 0