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出星前夜 [book] [飯嶋和一]

sample2.jpg飯嶋和一/小学館/お薦め度 ★★★★ 

大佛次郎賞受賞作

「島原の乱」。天草四郎(ジェロニモ四郎)を脇役に、主人公は矢矩鍬之介(寿安)と村の庄屋・甚右衛門(鬼塚監物)。

事件の発端は、村の子供達を救うために長崎からわざわざ来てもらった医師・外崎恵舟、持参した薬を使いきり、長崎に戻り、薬を持ち帰ることを願い出るが、代官所は恵舟を追放する。

怒りを覚える寿安ら若衆が教会跡に結集する。折りしも代官所から出火、付け火犯にされてしまう寿安たち。彼らを討ち取るため送り出される役人、敵を甘く見すぎて逆に返り討ちにあう。

事態はここから予想以上に大きなものへ発展する。征伐のために繰り出される大応援部隊、それらが次々と旧キリシタンの農民たちに火をつけることに。勢いに押され鬼塚監物らの郷士も参戦せざるを得ない立場に追い込まれる。「島原の乱」のはじまり。

「神無き月十番目の夜」で百姓一揆を、「黄金旅風」で長崎を描いた著者。その延長線にある本書。超大作だが一気読み!


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