謀略法廷 [book] [ジョン・グリシャム]
ジョン・グリシャム/新潮社/お薦め度 ★★★★
久々の法廷ものと思いきや・・・
大企業、クレイン化学による環境汚染、夫と息子を亡くした未亡人の民事裁判で、ペイトン夫妻・原告側弁護士は莫大な賠償金を勝ち取る。
しかし、トルドー・グループの社主は賠償金をびた一文払うつもりはなかった。最高裁へ上訴するための策を弄し始める。
その策とは、最高裁判官選挙でこちらの立てた候補を当選させ、判決を5対4にして勝利するというもの。まさに表題の通りの「謀略法廷」。そのための選挙コンサルタント、資金も用意された。
物語は選挙戦を中心に展開され、まんまと新候補が当選する。上訴の判決はこれでトルドー・グループの勝利か!?
さぞかし捻りのきいた結末がまっているのだとうと期待しましたが・・・
最後の陪審員 [book] [ジョン・グリシャム]
ついつい・・・
「無実」と順番が逆になってしまいました。
デビュー作「評決のとき」と同じミシシッピ州を舞台にりひろげられる若き社主、23歳で小さな新聞社を買収、の奮闘と街全体を驚愕させるレイプ殺人事件。
加害者は街の有力者一族の息子、いままで逮捕されたためしはなかった、に終身刑がくだされる。
事件から9年、ミシシッピの終身刑は10年程度で仮釈放が認めれる、仮釈放を機に陪審員が次々と殺される・・・
期待をもたせる流れ、帯にも「完全復活」、「王道直球」とうたってありますが、現実はそうはなっていません。おかしいですねグリシャムさん!
前作「大統領特赦」もイマイチ、本書もイマイチ、そこで登場したのがノンフィクションの「無実」、こちらはまあまあ、往年のストーリーテラーは返上でしょうか!?
無実 [book] [ジョン・グリシャム]
ジョン・グリシャム/ゴマブック/お薦め度 ★★★★
著者初のノンフィクション
騙されても、騙されても手にしてしまう作家!?まだアップデイトしていない「最後の陪審員」にも騙されました。
またまた懲りずにノンフィクションということで手にしてしまう。
元弁護士、かってのベストセラー作家がノンフィクションの冤罪事件を描き、ベストセラーになるという何とも皮肉なことが起きてしまった。
事件発生は1982年、オクラホマ州、エイダ。5年後、ふたりの容疑者が逮捕される。ウソ発見器、毛髪検査などお粗末な科学捜査、司法取引、不十分な弁護士活動・・・誰が犯人にされてもおかしくない状況下あった。
12年にも及ぶ長期間、死刑囚として収監され、DNA鑑定の結果、無罪放免となった男たちのかなしい物語。
大統領特赦 [book] [ジョン・グリシャム]
ジョン・グリシャム/新潮社/お薦め度 ★★★
再起復活!?
「テスタメント」で作家生活を終えたグリシャム、わたしはそう思っていました、再起復活をかけた一冊!?
表題の通り大統領特赦で、それもCIAの陰謀で、イタリアに身を隠すはめになる主人公、世界各国の情報機関から命を狙われる。イタリアを舞台に、監視役とのイタリア語の勉強、観光・・・環境に順応したかにみせかけ、脱出の機会をうかがう。
ストーリーで読ませるグリシャム作品、往年のジェットコースターを知るファンにとっては少々辛いものがあります。どこかの遊園地じゃありませんが、ジェットコースターが故障してしまいました。
あまりにも早く開花してしまい、アイデアが枯渇してしまったのだと思います。十分にお金は稼いだはずです、心起きなく隠居生活を満喫してください!