キュレーターの殺人 [book] [M・W・クレイヴン]
M・W・クレイヴン/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
ワシントン・ポー・シリーズ第三弾
三件の猟奇的事件、死体はひとつだけ。切断された二本の指が、クリスマスプレゼントのマグカップのなか、ミサが行われた教会、精肉店の店内で発見される。
加えて、現場には”#BSC6”という文字が・・・
ポー部長刑事と分析官のブラッドショーが捜査に乗り出す。上司のフリン警部は身重にもかかわらず捜査に加わる。
被害者の身元が次々に割れる。そのうちのひとり、死体が発見された、の自宅周辺を捜査中、ポーは森の中で競技用の凧を発見する。そこからある兄妹に行きつき、ふたりを逮捕する。兄の供述から犯人と断定するが、FBI捜査官、現在は左遷中、からの情報提供により、”#BSC6”に行きつく。
”#BSC6”とは、”ブラック・スワン・チャレンジ”、オンライン上でせめぎ合うゲームではなく、無防備な人間をたくみにあやつる計略。
例によって、独断専行、直感的なポーと明晰な頭脳に反して社会性、コミュニケーション能力のないブランドショーのコンビ、三作目となる本書では、ブラッドショーに全幅の信頼を寄せるポー、ポーの捜査能力と人間性を理解、コミュニケーションをはかろうとするブラッドショー、ふたりの絆がより太く強固なものになっている。
なかなか巨悪キュレーターに行きつくことのできないふたり、体を張った突撃と驚愕の結末、伏線をしっかり回収、最後の最後まで読者を楽しませてくれるシリーズ第三弾。
コメント 0