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カリスマ [book] [新堂冬樹]

sample172.JPG新堂冬樹/徳間書店/お薦め度 ★★★★☆

劇画小説!?

新興宗教に帰依し、夫を刺し殺し、自殺した母を持つ男。
成人した男は自ら新興宗教のメシアとなり、絶対的権力を握る。
メシアのターゲットとなった女は母の生まれ変わりだった。
メシアに洗脳される女。その洗脳と解くために奔走する夫。
その夫に手を貸す心理カウンセラー。

オウム真理教事件等を下敷きに!?
人間はなぜ、そこまで信じることができるのか?
人間はなぜ、そこまで堕ちることができるのか?
人間はなぜ、カリスマとなることができるのか?
を徹底的に描いた「劇画小説」。

彼、彼女らが信じた神は、救いの手を差し伸べてはくれなかった。
男は知っている。人は誰かに依存しなければ生きてはゆけぬことを・・・
男は知っている。己を救えるのは、己意外にはいないことを・・・
男は知っている。存在しない幻影に救いを求めた瞬間に、己も存在しなくなることを・・・

多くのカルト教団の指導者たちは言う。自我を捨てなさい、と。
このひと言に、洗脳の秘密は隠されている。自我を捨てることイコール己を捨てること―つまり、己は存在しない。
指導者たちは、己を喪失した人間を操るために、自我喪失を奨励する。

2001/03

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