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芙蓉の干城 [book] [松井今朝子]

sample1.jpg松井今朝子/集英社/お薦め度 ★★★★

シリーズ第二弾

桜木治郎、大学教授、江戸の狂言役者、桜木治助の末裔、が木挽座を舞台に謎解き・・・歌舞伎に精通している松井今朝子ならではのシリーズ!

治郎の妻の従妹、澪子の見合いが木挽座で設けられ、治郎が立ち会うことに・・・名優、荻野沢之丞の舞台に見とれる澪子だったが、真向かいの桟敷の男女に違和感を感じる、酔って居眠りをして?舞台を見ていない・・・

翌日、その男女が死体で発見される。男は右翼の大幹部、女は大阪島之内の芸妓、治郎は例によって木挽座の絡む件なので、警察から依頼を受け事件に巻き込まれて行く。

結婚する気はさらさらない澪子の見合い相手は職業軍人、実は澪子には恋人が・・・違和感を覚えた澪子は殺された右翼の情報を得るため、度々お見合い相手と会うことになる。

時代は戦争に舵を切り始める昭和八年、治郎、澪子、それぞれの立場から事件の真相に迫って行く。

表題の「干城」(たて)とは「盾」の意味、澪子のお見合い相手が、いみじくも「・・・われわれ軍人は醜の御盾、皇国の干城あのであります」、と。加えて「芙蓉の干城」とは犯人の殺害動機が誰かの「盾」になっていたという意味で、二つの「干城」をかけあわせた表題になっている?ことも凄い!


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