繊細な真実 [book] [ジョン・ル・カレ]
ジョン・ル・カレ/早川書房/お薦め度 ★★★★
趣を異にするスパイ小説!?
然したる現場経験のない自分、外務省職員、が外務閣外大臣の目と耳になるために偽名を与えられジブラルタルに派遣される・・・<ワイルドライフ作戦>、テロリスト捕獲、と名付けられたミッションは実感のないままに成功したと告げられる。
大臣秘書官のトビー、大臣の行動に疑問を呈し、行動を逐次監察していた。そんな折、<ワイルドライフ作戦>にまつわる会話を録音するはめに。作戦には民間防衛企業の創設者が大きな関わりを持っていた。
前半はふたつの話の繋がりが掴めず、ずいぶんと戸惑う?
後半は引退したキット、外務省職員、が<ワイルドライフ作戦>に絡んだ実行部隊の兵士に出会うことをキッカケに、不審に思っていた作戦の調査に乗り出す。
いつしかトビーとキット、キットの娘が加わり、真実の解明にスクラムを組む。彼らの前に立ちふさがるイギリスの「機密保護法」。さて結末は?
スパイ小説としては趣を異にする一冊。国民の前に開示されない「繊細な真実」。なんとも恐ろしい話だ!
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