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兇人邸の殺人 [book] [今村昌弘]

sample1.jpg今村昌弘/東京創元社/お薦め度 ★★★☆

シリーズ第三弾

斑目機関、前作「魔眼の匣の殺人」で登場、の研究資料を奪取を狙う傭兵チームとともに、心霊スポットをテーマにした遊園地の中に建てられた<兇人荘>に向かう剣崎比留子と葉村譲。

斑目機関は様々な研究を行っていた。そのなかのひとつが超人研究、文字通り人間の身体能力を強化する研究だった。

物語はシリーズの御約束ごと、クローズドサークルの<兇人邸>で、驚異的な身体能力と治癒力をもつ隻腕の巨人と出くわし、何人もの死傷者をだしてしまう。

しかも剣崎はひとりはぐれてしまい、葉村からの情報をもとに安楽椅子探偵と化し、謎を解く。

シリーズ第三弾、新しい趣向を凝らそうとする努力は認めますが、隻腕の巨人の登場はわたし的にはいただけません。完結編としましょう!?



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一夜 隠蔽捜査10 [book] [今野敏]

sample1.jpg今野敏/新潮社/お薦め度 ★★★★

シリーズ第十弾

著名な作家、北上輝記が誘拐?されたが犯人からの要求はない。そうこうするうち、SNSで誘拐が拡散するが、思ったほどのレスがないことから犯人はマスコミ発表を要求してきた。

そんな折、北上の友人?でミステリー作家の梅林賢が小田原署を訪れる。その対応を竜崎が行う。梅林曰く、北上は誘拐されたのだろう、と・・・

いつもの竜崎らしくない梅林を巻き込んだ一風変わった捜査が始まる。

中盤過ぎに誘拐事件の筋立てはみえてくるのだが、そこに警視庁管内、伊丹刑事部長絡み、で殺人事件が発生、息子、邦彦がポーランドから帰国、大学を辞めたいというサブストリーが追加され物語は進む・・・

事件以外に、梅林と邦彦の面談をセットしたり、梅林から一杯飲みを誘われる件は竜崎の新境地!?



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ナッシング・マン [book] [キャサリン・ライアン・ハワード]

sample1.jpgキャサリン・ライアン・ハワード/新潮社/お薦め度 ★★★★

サスペンス

12歳のとき、連続殺人鬼<ナッシング・マン>に両親、妹を惨殺されたイヴ。

18年のときを経、五件の事件、身体的暴行、性的暴行、身体的および性的暴行、殺害、三人の殺害、を取り上げた犯罪実録「ナッシング・マン 生き残った者による真実を求める調査」を上梓する。

元警官でいまは警備員をしているジムは「ナッシング・マン」を手にする。自分の犯行がどう記されているのか・・・

作中作として語られる「ナッシング・マン」、それを手にするジムの描写が交互に語られる。最初から犯人が明らかにされ、作中作で経過が語られるトリッキーなプロット!?

一冊の本が犯人を追いつめる、あぶり出すサスペンス。

追伸:最後の最後にちゃぶ台返しが・・・

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死刑執行のノート [book] ['24 海外編]

sample1.jpgダニヤ・クカフカ/集英社/お薦め度 ★★★★

エドガー賞最終優秀長編賞

四人、少女三人、元妻、の女を殺した死刑囚アンセル・パッカーの死刑執行12時間前から物語は始まる。

残り時間が減っていくアンセルの視点、アンセルに複雑な思いを抱く三人の女たち、アンセルの母親ラヴェンダー、アンセルの元妻の双子の妹ヘイゼル、アンセルと一時期、一緒に里親の家で過ごしたサフィー、ニューヨーク州警察捜査官、の視点で過去と現在が綴られる。

三人の女がそれぞれ夫、子供、姉、義兄、友、そして自分の過去と現在を語らせることでアンセルの虚像と実像を浮き彫りにするところは秀逸だが、全体の色彩が暗く、沈んでいるので読者の気持ちも萎えいでしまう!?

悪人になるのはさほど難しくない。悪とは、見つけたり捕まえたりすることができるものではなく、大事に抱えておくことも追い払うこともできない。悪とはひそやかに目立たず、ほかのものに紛れて隠れてしまう。



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悪なき殺人 [book] ['24 海外編]

sample1.jpgコラン・ニエル/新潮社/お薦め度 ★★★★☆

心理サスペンス

五人の語り手、アリス、ソーシャルワーカー→ジョセフ、羊飼い、アリスの不倫相手→マルベ、デザイナーの卵→アルマン、アフリカで「国際ロマンス詐欺」を働く青年→ミシェル、アリスの夫で農場主。

章ごとに語り手が変わり、過去や現在を語っていく。最初の章アリスではジョセフとの不倫劇と資産家の妻の失踪。

ジョセフと資産家妻との孤独な関係→マルベと資産家妻の火遊び!?→アルマンの章で予想もしない展開を見せる→最後のミシェルでバラバラだったピースが収まる。

プロットの際立つフレンチミステリー、拾いものの一冊!?



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ザ・マッチ [book] [ハーラン・コーベン]

sample1.jpgハーラン・コーベン/小学館/お薦め度 ★★★★☆

「森から来た少年」の続編

35年前に森で発見されたワイルド、調査員、生みの親捜しのためDNA鑑定サイトに登録、弁護士、亡き友人の母、ヘスターの協力も得、父親と思われる男を探し出し、会いに行く。

父親には三人の娘がおり、若い頃に空軍に所属し、ヨーロッパの基地に派遣されたことがあった。そのときの一夜限りの情事の相手が八人いたという。つまり母親の手掛かりはなかった。父親の家族の爆弾にはなりたくなかったからすぐ飛行機に乗った。

四ヶ月前のメール、母方の血縁者とおぼしき男PBから、に気づいたワイルドはPBとコンタクトをとろうとする。PBはリアリティ番組のスターだったが、あることで炎上し、行方不明になっていた。

ワイルドはPBの身辺調査を始めるが、思わぬ事件に巻き込まれることになる・・・

幕間に「ブーメラン」ーセキュリティの高い匿名ネット組織、その役割は、ネット上で誰かを攻撃し、苦しめ、傷つける人間に因果応報を教えることーの活動が織り込まれ、やがてそれらは殺人事件につながっていく。

現代の血縁捜しとリアリティ番組の闇、ネット社会の闇が生み出した事件を描くシリーズ第二弾。

年明け一冊目は大当たり!



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