風配図 WIND ROSE [book] [皆川博子]
皆川博子/河出書房新社/お薦め度 ★★★★
冒険譚!?
ゴッドランド島、スウェーデン、に流れ着いた帆船の積荷、有力農民の一族、オーラヴとソルゲル、は漂流物は発見した者のものだと主張、帆船のただひとりの生き残り、リューベック、ドイツ、の商人は積荷は我々のもの、返してほしい、と・・・
司祭が仲裁にはいり、決闘裁判が行われる。リューベックの商人は大けがをしているため決闘裁判には参加できない。その代理をかって出たのはオーラヴの娘ヘルガ、一方、農民一族からはソルゲルの親戚のギールスが代闘に立つ。15歳の少女と23歳の青年の戦いとなった。
勝負はヘルガの勝利に終わり、それを機に交易商人を夢見るヘルガはリューベックに渡る。それを見送った義妹アグネもヘルガに憧れる。
ゴッドランド島、リューベック、ノヴゴロド、ロシア、の3拠点を巡る交易商人の覇権争いとノヴゴロドにおける政変を風配図として捉えた意欲作。物語に組みこまれた戯曲?脚本?が斬新。
御高齢な作者ではあるが、創作意欲は衰えていない。
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