SSブログ

プリンシパル [book] [長浦京]

sample1.jpg長浦京/新潮社/お薦め度 ★★★★

クライム・ノベル

プリンシパルとは、そのバレエ団のトップの階級にいるダンサーのこと。

昭和二十年八月十五日、塩尻駅で玉音放送を聞いた教師の綾女、憎しみと血の匂いの記憶を呼び覚ます東京へと、彼女を運んでいった。

関東最大の暴力組織四代目水嶽本家に掲げられた看板は「水嶽商事株式会社」・・・兄たちが出征中のため、父が会長兼社長の肩書で代行を務めている。

兄たちが戦場から戻るまで。見せかけの会長兼社長に据えるため綾女は呼び戻されたのだった。

父の死を知った敵対する連中が水嶽本家を急襲する。そのことで綾女は腹をくくる。父親と同じが血が流れていることを思い知る。

昭和二十九年までのGHQ工作、秘密の汚れ仕事、政界工作、裏金・・・敵対する組織の弱体化工作、裏の顔・・・水嶽商事の統制のとれた商業組織への変貌、表の顔・・・裏の顔と表の顔を使い分けながら戦後の闇を生き抜くクライム・ノベル。綾女が目指すものは何か?その過程で生じた怨念、憎悪が結末で一挙に爆発する。

長浦京のファンとしては唐突な題材!?「リボルバー・リリー」のような小説が読んでみたいものだ。



nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。