もう耳は貸さない [book] [ダニエル・フリードマン]
ダニエル・フリードマン/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆
シリーズ第三弾
89歳のバック・シャッツ、妻のローズと共に施設暮らし、痴呆症は進み、歩行器なしでは歩けない。ローズが癌の告知を受けたことも覚えていられない・・・
そんな折り、35年前の殺人で死刑判決をうけた男、チェスター・マーチ、が死刑執行を目前にして、自白はバックに強要されたものだと主張、ラジオ局のレポーター、カーロス・ワトキンズ、がその話に乗り、バックから話が聞きたいとインタビューを申し込む。
ひとりでは手に負えないとバックは、司法試験を間近に控えた孫テキーラに助けを求める。
孫とタッグを組んでワトキンズと一戦を交えるのかと思いきや、過去のバックの捜査と現在のワトキンズと死刑囚のやり取りが交互に語られる。
直接対決ではなく間接対決の中で、アメリカの死刑制度、処刑方法というシリアスな問題に真正面から向き合った作品、前二作とは趣を異にする、に仕上げた。バックの毒舌ぶりは残しながら・・・
ラストでバックとワトキンズが直接対決、これ以上は言えないが・・・そのあとで妻のローズが発したひと言が印象に残る。
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