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13階段 [book] [高野和明]

sample222.JPG高野和明/講談社/お薦め度 ★★★★☆

江戸川乱歩賞受賞作

受賞の言葉の中に、「職人で結構」とは、映画監督岡本喜八の言葉です。自分も、一流の娯楽職人を目指して頑張るつもりです、と語る著者。

導入のプロットからしてエンターテインメント的。
喧嘩で人を殺し仮釈放中の青年と、それを見守ってきた刑務官。彼らに持ちかけられた仕事は記憶喪失の死刑囚の冤罪を晴らすこと。期限は三ヶ月、成功報酬は一千万円。

死刑囚の微かな記憶とは、「階段」。
あの時、自分は、階段を上っていた。今と同じように、死の恐怖に駆られながら、階段を上っていた。

冤罪を晴らすには、凶器、通帳、印鑑を見つけ出さなければならない。その隠し場所と階段が関係するのか?死刑執行は四日後に迫る。

最後のどんでん返しもしっかり用意され、第一級のエンターテインメントに仕上がっています。

死刑囚の心情、刑務官の仕事ぶり、刑務所の様子などよく書けています。押さえるところは押さえ、エンターテインメント的に跳ねるところは跳ね、メリハリの利いた構成になっているのも著者の筆力の賜物。お薦めの一冊です。

2001/08



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