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テスタメント [book] [ジョン・グリシャム]

sample149.JPGジョン・グリシャム/新潮社/お薦め度 ★★★☆☆ 

全米290万部を突破したスーパー・メガ・ヒット

ストーリーはいたって簡単。アメリカ屈伸の大富豪の遺産にむらがる親族・顧問弁護士たちと、真の遺産相続人に指名された謎の女性、それを探し出す役のアル中弁護士。

大老富豪の資産は総額百十億ドル。前妻とその子どもたちは贅沢好きの破産寸前の状況。財産が遺産として自分たちに転がり込んでくる機会を虎視眈々とうかがっている。

ついにある日、相続人たちを呼び集め、驚愕のプレゼント―みずからのドラマティックな死と遺言状―を彼らに送る。

その遺言状とは、わが子どもたちのそれぞれが負っている本日づけで負っている負債を完済するのに必要な額の金は遺贈する。本日以降に発生した負債については、わたしの遺産で返済されるものではない。わが妻たちに譲渡するものはない。この三人には離婚にあたって適切な補償がすでにされている。上記以外のわが財産にすべては、わが娘であるレイチェル・レインにすべて遺贈する。

レイチェルは世界先住民宣教教会の一員として、パンタナール大湿原と呼ばれる地域のブラジルとボリビアの国境地域におり、奥地に住むインディオの部族への宣教活動を進めている。わたしにはレイチェルを見つけることができなかった。この二十年間、レイチェルと連絡をとったことはいちどもないと書き添えられている。

ここからアル中弁護士・ネイトによる壮大な冒険小説が始める。

本書のアイデアはまず冒険小説ありきではないのか?

というのはグリシャム自身がパンタナール大湿原に魅了され、そこで体験したこと、友人から聞いた話などから、まず冒険小説が出来上がり、それに前後をつけたしたような気がする。その証拠に冒険小説の部分が大半を占めている。

前半はいつものジェットコースター・ノベルになっているが、冒険小説部分がゆっくり流れすぎジェットコースターの勢いを止めてしまったように思う。

「ジョン・グリシャム初の冒険小説!」というように解釈すれば、これもまた良しかな・・・

2001/02

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