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時の渚 [book] [~'23 国内編]

sample190.JPG笹本稜平/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆  

サントリーミステリー大賞受賞作

淡々とした語り口、リズムのいい展開。最後の最後にドンデン返・・・

元刑事、今は探偵の茜沢は死期まじかな老人・松浦から生まれてまもなく他人に預けた息子を探しだすよう依頼される。

それは35年前、西池袋の小さな公園だった。赤ん坊を託した女の歳は30を少し過ぎくらい。要町で居酒屋「金龍」をやっている。亭主は売れない絵描き。練馬に住んでいて暮らし向きはそう悪くないと言っていた。

茜沢も忌まわしい過去を背負って生きていた。西葛西で起きた夫婦殺害事件の犯人が茜沢の妻と息子を撥ね逃走。容疑者として浮かび上がったのは、殺害された夫婦の一人息子・駒井昭伸だった。しかし、犯人のものと思われる毛髪は両親のいずれのDNAパターンも含まなかったことから、昭伸に対する捜査は打ち切られた。

人探しの糸は少しづつほぐれていく。

その一方、西葛西夫婦殺害事件の犯人が動いた。六本木のラブホテルで殺害された女子高生の遺体から採取された体液は西葛西の犯人のDNAと一致した。

茜沢の周りに配置された人物の温かさと結末の「血」の因縁があまりにも対照的。ラストはしっかり泣かせてくれます。

2001/05

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