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銀漢の賦 [book] [葉室麟]

sample1.jpg葉室麟/文藝春秋/お薦め度 ★★★★☆

松本清張賞受賞作

本書「銀漢の賦」→「秋月記」→「鬼神の如く」と続く「誠の忠義」とは・・・

本書には大きなストリームがふたつ、ひとつは藩の安泰のため一命をかけて藩主を諌め、行動を起こす臣下、家老・将監。<逆命利君、命に逆らいて君を利する、これを忠という>

もうひとつは男の絆、友情。一人は家老・将監、一人は源五、居合と鉄砲の名手、もう一人は十蔵、農民一揆の首謀者。

少年期、将監と源五は同じ道場に通う竹馬の友、そこに農民の十蔵が加わり友情が芽生える。絆の中心に将監の母の存在があった。

壮年期、十蔵が指導した農民一揆を将監が鎮圧、その勢いに乗じて、当時の藩政を握っていた父の仇でもある?家老を追い落とし、実権を握った。その裏で十蔵との関係が露見する前に処罰を急いだことを悔いる将監がいた。十蔵の犠牲の上に将監の今があることを知る源五は義憤から将監と絶縁する。

老年期、余命一年を宣告された将監、二十年振りに源五と腹を割って話す。かつの友情がふつふつとわき起こり、藩の安泰を願う将監にあることを決意させる。しかも源五に「手伝ってくれ」、と・・・

将監と源五の熱き絆、友情が読者をも熱くする。いつもクールな葉室麟だが、本書は一味違う!

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