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影の子 [book] [~'23海外編]

sample5.jpgデイヴィッド・ヤング/早川書房/お薦め度 ★★★★

CWA賞ヒストリカル・ダガー賞受賞作

ベルリンの壁近く、東ベルリンの墓地の一角、でひとりの少女の死体が発見される。顔は見る影もなく破壊され、歯もすべて失われていた。現場には国家保安省(シュタージ)のイェーガー中佐が臨場しており、人民警察の中尉カーリン・ミュラーと副官のティルスナーが狩りだされた。

国家保安省の下で人民警察が動く異例?の形、しかも当局の見立てと矛盾する証拠が出た場合は他言無用、イェーガーに報告するようにとの厳命が・・・

現場に残されたタイヤ痕から政府公用車のボルボが浮上、また険死解剖の結果、少女がレイプされていたことも判明、人民警察の範疇を超える事態が起こるかもしれないとミュラーは不安を覚える。

一方、ミュラーは私生活で問題を抱えていた。教師である夫が一時的に島流しー青少年労働施設へ追放ーにあい、その後ベルリンに戻って来たものの夫婦仲はぎくしゃく、おまけに夫が妻と副官の浮気を疑っている・・・

夫が島流しにあっていた施設での物語ー本書の大きなポイントーとミュラーたちの捜査が並行して語られる。東ドイツで最初に責任を与えられた女刑事ミュラーは知らず知らず国家の闇に迫っていく。

目新しい題材でもないのにCMA賞のヒストリカル・ダガー賞受賞とは?

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