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ゴッサムの神々 [book] [リンジー・フェイ]

sample1.jpgリンジー・フェイ/東京創元社/お薦め度 ★★★★

MWA賞最終候補作

「ニューヨーク最初の警官」、時は1845年、日本は江戸時代、弘化二年、将軍は家慶、創設まもないNY市警の警官になったティム、火事で住む場所、仕事場、貯めていたお金も失ったうえに、顔にやけどを負ってしまう。そんなティムは兄ヴァルの計らいで警官として採用される。

ある夜、ティムは血まみれの少女に出くわす。少女の「彼、切り刻まれちゃう」の言葉通り、身体を十文字に切り裂かれた少年の死体が発見される。

少女の名前はバード?売春宿から逃げ出した「ひよっこウリ」(10~12歳程度の娼婦、男娼)。バードの嘘に翻弄されながらも、バーテンダーをしていた時にやしなった人間観察眼で嘘と真実を見極めるティム。

バードの真実の証言?から19もの子どもの遺体を発見するティム、先の遺体同様、十文字に切り裂かれていた・・・

市警を後押しする政党、アイルランドからの大量移民、宗教的な対立・・・一挙に50万人まで膨れ上がったニューヨーク、そこで起こる様々なギャップが事件に大きな影を落とす。

最新刊「ジェーン・スティールの告白」でもMWA賞最終候補になったリンジー・フェイ、シリーズ第二弾も邦訳されているのでぜひ手にしたい!

江戸はニューヨークの2倍以上の人口を有す都会?、北町、南町奉行所が事件探索にあたっていた時代、ロンドンは既に200万人超の大都会、19世紀初めには首都警察が創設されている。ニューヨーク市警の創設は急激な人口増加による治安の悪化、貧困、移民との衝突等々に起因する。

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