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つまをめとらば [book] [青山文平]

sample1.jpg青山文平/文藝春秋/お薦め度 ★★★★

直木賞受賞作

六編収録の短編集

元禄から百年、武士が武士として生き抜くことが難しくなった時代、人生に戸惑う男たちをしり目に、生き生きと生き抜く女たちが躍動する。

表題の「つまをめとらば」、幼馴染の貞次郎と10年振りの再会、屋敷の庭にある家作を貸してほしいと頼まれ、話はとんとん拍子にすすむ。この歳、56歳、になって所帯を持とうというのが理由だった。

しかし、所帯をもとうという女はいっこうに来ない・・・

貞次郎との空白の時間をお互いに語るなか、40代のころ下女の奉公に来た佐世、童女の顔にはちきれんばかりの身体、と貞次郎が一時噂になったことはさすがに聞けなかった。

ふたりの穏やかな生活が進む中、行方知れずだった佐世が味噌を売りに来る。以前の身体は肉と脂ではちきれそうだった。貞次郎も味噌を売りつけられ、昔話をしたようだった。

女とはたいしたものだ、どうやってもかなわない!貞次郎は家作を出て女に死に水をとってもらうことを決意する。

ふたりの味のある会話が実にいい、青山ワールド全開!



タグ:直木賞
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