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罪の声 [book] [~'23 国内編]

sample1.jpg塩田武士/講談社/お薦め度 ★★★★☆

2016年「週刊文春」ベストミステリー

著者あとがきに「グリコ・森永事件」・・・極力史実通りに再現しました・・・子供を巻き込んだ事件なんだという強い想いから、本当にこのような人生があったかもしれない、と思える物語を書きたかったからです・・・」

曽根俊也は父の遺品の中からカセットテープとノートを見つける。カセットテープは31年前、「ギン萬事件」で使われたもの、しかも俊也の声で・・・ノートは英語で書かれていた。

一方、大日新聞文化部の阿久津は社会部の年末企画、昭和・平成の未解決事件、の応援に駆り出され、いきなりハイネケン誘拐事件の再調査のためイギリスへ派遣される。

俊也は旧知の堀田の手を借り、阿久津は事件担当デスクの鳥居の「パワハラ」に耐えながら細い糸を手繰っていく。

いつしか二人の調査が交わり事件の核心へ向かうのだが、著者はあとがきにあるように事件に巻き込まれたそれぞれの31年間に想いを馳せ筆を進める。

事件の核心よりもその先を追い求める阿久沢に拍手!秀逸な一気読み間違いなしのベストミステリーです。


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