無垢の領域 [book] [桜木紫乃]
桜木紫乃/新潮社/お薦め度 ★★★★
心理サスペンス!?
表題の「無垢」とは、図書館長の林原の妹、純香を指す。25歳の年齢にそぐわない、疑うこと、嘘をつくことを知らない、大人子供!?
純粋無垢な純香の出現、祖母の死で初めて妹と一緒に住む、が兄、書道家の秋津、秋津の妻であり養護教諭の玲子の隠れた欲望を引き出す。
林原は幼なじみの恋人との関係にケリをつけようとする一方、純香と通じて知り合った玲子に惹かれていく。
秋津は母の看護をしながら書道教室を開いているが、生活費は妻が面倒をみている。純香の天才的な筆さばきに驚愕、書道教室の助手を頼む。
玲子は夫との離れた距離感を保ちながら純香の兄、林原に冷ややかに傾倒していく。
戸惑い、後ろめたさ、嫉妬・・・が蠢く心理サスペンス!?純香の死がもたらす結末とは!?
著者はミステリー作家じゃないので、「凍原」同様どんでん返しを期待してはいけないが、秋津と母の繋がりにはゾクっとさせられる!
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