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殺人犯はそこにいる [book] [~'23 国内編]

sample1.jpg清水 潔/新潮社/お薦め度 ★★★★☆

 
「文庫X」

北関東連続幼児誘拐殺人事件

盛岡のさわや書店、長江さんが「・・・それでも僕は、この本をあなたに読んでほしいのです」と ブックカバーに自身の思いを綴り、「文庫X」として店頭に並べた話題の一冊。

17年の間に、群馬県、栃木県の県境、足利市、太田市、半径10キロ圏内で起きた5件の連続幼児誘拐殺人事件を克明に記したノンフィクション。

この中に90年に起きた「足利事件」、DNA型鑑定の結果、無期懲役刑となり、最後の最後に冤罪だったことが証明された管家さんの事件、も含まれている。

著者は管家さんが無罪だったことから、5件の連続誘拐殺人事件は同一犯であると主張、独自に犯人を割り出す。その情報を警察に提供するも、著者の主張を聞き入れることは管家さん以外の冤罪件数を増やすことを意味するので警察としては到底聞き入れることは出来ない、と。

文庫出版にあたりサブタイトルに「隠蔽された」の文字を入れたのは著者の悔しさがにじみ出ている。いまなお「殺人犯はそこにいる!」

長江さんの言う通り、素晴らしい一冊でした。


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