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三鬼 [book] [宮部みゆき]

sample1.jpg宮部みゆき/日本経済新聞出版社/お薦め度 ★★★★☆

三島屋変調百物語四之続

四編収録、表題の「三鬼」もいいが、シリーズの節目となろう「おくらさま」に注目!

美仙家の三人姉妹の誰かが家の守り神、「おくらさま」、になる仕来たり。「おくらさま」に指名されたのは次女のお菊だった。

三女のお梅、心の時を十四歳で止めた老婆、が三島屋にやってきた。話が佳境に入った頃、お梅が発した言葉、「これは、美仙家にかけられた呪いだー本当はおくらさまに守られてなんかいなかった。騙され、祟られていたんだわ。ああ、口惜しいー」と畳を叩いた途端、振袖と帯を残し中身のお梅は消えてしまう・・・

幽霊?お梅の行方を探すおちか、三島屋の次男坊富次郎、貸本屋の甚一、青野利一郎の代わりに今後物語に登場する人物、の三人は苦労の末にお梅を見つけ出す。

旅立つお梅利と利一郎から「・・・臆せず躊躇わず、この黒白の間から踏み出してください・・・」と言葉かけられ、黒白の間を、心の蔵座敷にしないと誓うおちか。

「五之続」から新たな展開が期待されるシリーズ。それにしても巧い!!!


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