ブラック・ドッグ [book] [葉真中顕]
葉真中顕/講談社/お薦め度 ★★★★☆
掘り出し物の一冊!?
過激な動物愛護思想を訴える<DOG>が遂に一線を越えた。その犯行声明は「全人類に告ぐ!即刻、種差別をやめよ!動物を犠牲にするすべての活動を停止せよ!さもなくば、我々はきみたちに直接的な裁き<審判>を降す」。
次なるターゲットは日本、よくない噂の絶えない大手ペット企業が主催、大人気のエンジェル・テリアの販売会。動物愛護団体もイベントに便乗、里親を募る「譲渡会」を開催することになっていた。
事件はイベントの開会式で起きる。突然、会場の防火シャッターが降り、参加者が孤立してしまう。そこに12匹の謎の「獣」が放たれ、次々に人間に襲いかかる。逃げまどう人々は抵抗することは叶わず肉塊と化した。
逃げまどう人々、大臣、動物保護団体の代表、副代表、合唱を披露することになっていた中学生たち、胡散臭いペット企業の社長、その広告塔のタレント・・・各々の視点で物語は進んでいく。
確かにホラーなのだが、そこに時限的な脱出劇、極限状態下で見える人間のエゴ・・・いろんな要素が組み合わさった掘り出し物のエンターテインメント!?
500頁超の大作ですが、一気読みでした。年末のベストミステリーでは結構いい線いくかも・・・
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