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希望荘 [book] [宮部みゆき]

sample1.jpg宮部みゆき/小学館/お薦め度 ★★★★

杉村三郎シリーズ第四弾

前作「ペテロの葬列」のラスト、妻の不倫という意外な展開で、家族、職を失った杉村三郎。彼の新しい仕事は何と「私立探偵」!

表題作「希望荘」は杉村が自宅兼事務所として借りている古家の持ち主の縁で回ってきた仕事。老人ホームでテレビのワイドショー、若い女の子が殺された事件のレポート、を見ながら、父親が「そんなつもりはなかったんだけど、つい頭に血がのぼって、手を出してちまった」と。その真偽を確かめてほしいと息子から依頼が舞い込む。

父親はすでに老人ホームで亡くなっていたが、父親は母親の不倫で離婚、杉村と同じ境遇、息子と再会するまで30年の空白があった。

依頼された35年前の殺人事件は犯人が自首、解決をみていた。事件現場近くの「希望荘」に犯人は住み、自首の際に住人のひとり?が付き添っていたことも判明する。

依頼主の父親は殺人犯ではなかった。一件落着かと思いきや、杉村はワイドショーを見ながら呟いた父親の告白の真の意味に気づく!

律儀でお人好しの杉村三郎、ミステリーなのに何とも「ほっこりする」連作短編集だ!


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