夏に凍える船 [book] [ヨハン・テオリン]
ヨハン・テオリン/早川書房/お薦め度 ★★★★☆
エーズランド島四部作最終章
イェルロフ、元船長、が少年船員として海に出たのは16歳、家の手伝いの合間に教会の墓穴掘りをしていたときのことは生涯忘れられない。棺からノックが三回聞こえ、裕福な農夫が二度埋葬された・・・そのとき一緒に墓穴を掘った年下の少年、アーロンのことも・・・
島でリゾートを経営するクロス一族、その末っ子、ヨーナス。ある夜ゴムボートでひとり沖へ漕ぎだす、漆黒の闇のなか突然幽霊船が現れ、ボートが萎み、幽霊船に乗り移る。そこでヨーナスが見たのは死体と斧を持った男、老人。慌てて海に飛び込み、イェルロフのボートハウスにたどり着く。
島に帰って来た男、アーロン、の数奇な過去、義父に<新しい国>に連れて行かれ、そこで待っていた過酷な生活、と現在が交互に語られる。
過去と現在を繋ぐためイェルロフが老体に鞭うって捜査に乗り出す。アーロンの復しゅう劇、クロス一族の秘密・・・淡々と語られる。
イェルロフがボートでひとり漕ぎだすエピローグが実に最終章にふさわしい!何と魅力的な一冊!
追伸:三回のノックの謎も解き明かされる!?
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