シャイロックの子供たち [book] [池井戸潤]
池井戸潤/文藝春秋/お薦め度 ★★★★
連作短編?長編?
「七つの会議」のあとがきに、本書は「シャイロックの子供たち」の進化形、と。ならばと手にする。
東京第一銀行長原支店を舞台にした群像劇ミステリー。確かに「七つの会議」の源流。
池井戸潤は元々バンカーだから銀行内外のことについては精通しているのは当たり前。そのバンカーをシャイロック、「ヴェニスの商人」に登場する強欲な金貸し、の子供たちと皮肉る?とは・・・
銀行は確かに強欲な金貸し業かもしれない。強欲な組織における強欲な人間、出世争い、自己保信、評価・・・、と彼らにロックオンされた人間と家族の群像劇。
池井戸流クライム・ノベル。「七つの会議」の文庫化にあたり八つ目の会議を加筆、読了感をスッキリ・アップ。本書の結末がちょっと思わせぶりだったことへの反省か!?
「七つの会議」同様、一気読みの一冊。
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