黄昏の彼女たち [book] [サラ・ウォーターズ]
サラ・ウォーターズ/東京創元社/お薦め度 ★★★★
最新刊
先の大戦、イギリスでは第一次世界大戦を指す、で兄、弟、その後父を亡くしたフランシスと母。ロンドン郊外の自宅の二階に下宿人を置いて糊口を凌ごうてしていた。それに応じたのはレンとリリーの若い夫婦だった。
他人との生活になかなか馴染めない母、娘だったが、ふとしたことからフランシスとリリーは交流を深めていく。
フランシスには過去に女性との恋愛経験、同性愛、があった。リリーとフランシスがそんな関係に陥るまでそう時間は要しなかった。
刹那の幸せはリリーの妊娠、堕胎によって大きな変化を遂げる。ある夜、悲劇が起こる。リリーが誤ってレンを殺してしまう。
ここからリリーとフランシスによる隠蔽工作と罪悪感とのせめぎ合い。事件はふたりが想像したものと全く違う方向へ向かう。裁判で明らかになるレンの秘密、リリーの行為は誤ったものだったのか・・・読者を疑心暗鬼にさせながらラストへ。
犯人でない人間が有罪となっていのか?真実を告白すべきではないのか?罪悪感のなかで揺れるフランシスとリリー。ふたりの恋愛は本物だったのか!?
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