偽りの街 [book] [フィリップ・カー]
フィリップ・カー/新潮社/お薦め度 ★★★★☆
ベルリン三部作、第一弾
1936年、オリンピックの開催を間近に控えたベルリン。失踪人探しを生業にする私立探偵、グンターのもとに鉄鋼王、ジグスから仕事の依頼が舞い込む。
ジグスのひとり娘とその夫が殺され、金庫から高価なダイヤの首飾りが盗まれた。内密にその首飾りを見つけてほしい、と。
第二次世界大戦前夜、ナチス独裁体制、ユダヤ人迫害・・・暗澹たる時代背景のなかであらゆる手段を駆使して調査に乗り出すグンター。
首相のゲーリングからは別件の調査、ゲーリングの代理人の行方、を依頼されるに至り、金庫のなかに首飾り以外のものがあったことに気づく。
新しい助手のインゲとふたりで挑む真実はいかなるものか・・・
1989年刊の秀逸なハードボイルド。新しい助手、インゲの行方がわからなくなる第一部、続きは第二部の「砕かれた夜」へ。
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