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サイレント・ジョー [book] [T・ジェファーソン・パーカー]

sample126.jpgT・ジェファーソン・パーカー/早川書房/お薦め度 ★★★★☆

MWA賞最優秀長篇賞受賞作

事件はオレンジ郡保安官事務所の保安官補・ジョーが、義父・ウィルの仕事を手伝っている最中に起きた。

ウィルは誘拐された政敵の娘を救うべく、身代金引渡しの役を買って出た。娘を保護した直後に、五人の男たちに襲撃され、殺されてしまう。ジョーも応戦したが、ウィルを救うことはできなかった。

しかも、運の悪いことに保護した少女とはぐれてしまう。

義父の敵討ちと少女を取り戻すためひとりで立ち上がるウィル。

こう書いてしまうと、単なる復讐劇に見えてしまいそうだがそうではない。ジョーの生い立ちが重要なファクターとなっている。

現在、24歳となるジョーだが、生後9ヶ月のとき、実の父親から硫酸を顔に浴びせられ、さらに母親からも捨てられて、養護施設で過ごした体験をもっていた。今もそのときの醜い傷が顔とこころに残っていた・・・

何時も、もの静かなジョーだった、ウィルの事件からひとりの男として成長していく。

淡々とした語り口、全篇に漂う灰色?の空気、クールなジョー・・・さすがMWA賞受賞作!


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