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静かなる炎 [book] [フィリップ・カー]

sample1.jpgフィリップ・カー/PHP研究所/お薦め度 ★★★★

グンター・シリーズ

史実に基づいた舞台設定、1932年ベルリン、1950年ブエノス・アイレス。

1932年ベルリン、ナチス台頭、2回の選挙で過半数を占めることは出来なかったが、ヒンデンブルク大統領はヒットラーに組閣を依頼、翌年、ドイツ国首相となる。

1950年ブエノス・アイレス、ペロン大統領、第二次世界大戦で得た莫大な外貨を梃子に、積極的な経済政策を推し進める。貧民から聖母のように崇められた妻、エバ(エビータ)も大統領の政策に一役買う。

ファシズムに傾倒、ドイツから資金援助を受けていた親ナチのペロンはナチスの残党を多数移民として受け入れていた。主人公のグンター、元ベルリン警察官、も医師を装ってアルゼンチンに渡る。

アルゼンチンでグンターが依頼された仕事は、失踪した銀行の支店長の娘を捜し出すことだった。依頼主はベルリンで迷宮入りした少女惨殺事件の経緯を知っていた。

1932年、ベルリンとミュンヘンで起きた少女惨殺事件の解決を見る前に警官を辞めたグンター。なぜ職を辞するかは彼の政治心情とナチス台頭が大きな影を落としていた。

1950年、親ナチ派の国で起きた18年前と酷似?している事件と国情?

2つの事件が交互に語られと共に、実在の人物、アイヒマン・・・、らとアルゼンチンのユダヤ難民の悲劇が時代を色濃く映す。

迷宮入り事件は?失踪した娘は?事件より時代背景に押しつぶされてしまいそうな一冊!?


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