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鎮火報 Fire's Out [book] [日明恩]

日明恩/講談社/お薦め度★★★★★

デビュー作「それでも、警官は微笑う」は新しい形の警察小説として絶賛された。問題とされる?二作目の本書では人間臭い新人消防士を登場させ、泣かせる一冊に仕上げた。なんとも将来性を感じさせる作家だ!

物語はいたってシンプル。日曜日の当番日からスタート、翌週の火曜日の非番日で終わる。凝縮されて時間の中で、主人公・大山雄大が出場する火災、事件を通し、人間とは?人間の存在とは?を問う。

「人の命は間違いなくその人のもんだよ。だから、生きている権利もあるし、逆に死ぬ権利があってもおかしかない。だけど、どんな奴にだって、どうしても生きていて欲しい、一緒に苦労も恥じも分かち合うから生きていて欲しいと望む人がどこかにきっといるんだよ」

「人には、望もうと望むまいと、死に直面せざるを得ないときがある。その誰にでも、生きていて欲しいと願う人がいる。望まないのに死の淵に立たされた人は、その人の生を望む人たちのところには返してやるために、望んで死の淵に立った奴であっても、やっぱり、そいつの生を願ってやまない人のために、その気持ちに報いられるように、もう一回やり直すチャンスをつかむ手助けをする。消防士ってのはね、そのためにいるんだと思うんだよ」

前作同様、脇役のキャラもドラマ的(ここは異論のあるひともいるだろうが、わたし的には好きだけど・・・)だけど、しっかり描かれている。おまけに最後はしっかり泣かせる仕掛け。たいしたものだ!


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