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街の灯 [book] [北村薫]

北村薫/文藝春秋/お薦め度★★★★

北村薫といえば、女子大生の「私」と噺家の円紫師匠シリーズ。日常の何気ない謎解き、殺人事件のないミステリー・・・わたし的にもお気に入りのシリーズ。本書は新たなシリーズとして、昨年、別冊文藝春秋に掲載された三篇を収録したものです。

主人公は士族出身のお嬢さん、花村英子と、新しく運転手として花村家にやってきた、別宮みつ子こと「ベッキーさん」。
花村家の祖父は師団長を歴任、陸軍の名物男。叔母は子爵家へお興入れ、父は日本でも五本の指に入る財閥系列の商事会社社長。
昭和七年という時代設定、花村家のお嬢さんの「私」(歳のころは十四、五歳)、男装の麗人?の運転手ベッキーさん・・・北村ワールドを彩るにふさわしいプロット。

昭和七年というと、
関東軍が錦州を占拠する。溥儀が満州国の執政に就任する。上野駅新築工事が完了する。第1回日本ダービーが開催される。犬養毅首相が射殺される。78歳(誕生:安政2(1855)/04/20)。5.15事件。海軍青年将校と陸軍士官候補生9人が首相官邸を襲撃し、「問答無用」と射殺する。 東京・銀座に服部時計店が新装開店する。大正10年以来の時計塔が復活する。 日本橋の白木屋百貨店で初の高層ビル火災が起る。死者14人、重軽傷者130人。このときまで日本の女子は下着を着ける習慣がなかったために女子従業員が高所から飛降りることができずに焼死したものが多かったと言い伝えられる。

今後の進展に期待したいシリーズ!

追伸:あまりに装丁がきれいだったので巻末を見ると、「装丁  京極夏彦 With Fisco」。京極さんはこんなこともやっているんだ!


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