お鳥見女房 [book] [諸田玲子]
諸田玲子/新潮社/お薦め度★★★★
「御鳥見」とは鷹の餌となる鳥の棲息状況を調べる役職で、葛西、岩淵、戸田、中野、目黒、品川の六ヶ所にある将軍家の御鷹場の巡検と鷹狩のための下準備が主たる任務。
お鳥見役の留守宅を守る女房・珠代。その笑顔がみんなを、世の中を明るくする。
「動の文体」と「静の文体」という言い方があるのなら、著者は明らかに「静の文体」。「紅の袖」ではその文体がサイコ・サスペンスにぴったりはまった。趣を異にする本書でも「静の文体」は遺憾なく発揮されている。
「紅の袖」から何冊か新刊が出ているのだが、私にとってなかなか手が出にくい作家のひとり。これを機会に何冊かトライしてみたい。珠代の夫の行方も気になる・・・
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