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夜夢 [book] [柴田よしき]

柴田よしき/祥伝社/お薦め度 ★★★★

単なる短編集ではなく、柴田よしきらしく、謎めいた「語り部」たちを登場させ、再編集した一冊。九篇の短篇が収められている。

あとがきの中に、「・・・その共通コンセプトを恐怖ではなく、みしろ夜をして考えてみました。それは単純に、作品が夜を舞台にした物語である、ということではありません。昼、つまり、人々がごく普通に日常生活を送っている時間帯に対する「夜」。日常の普通の事柄が、歪み、その形を変化させる、閉ざされた状態。そうした背景を踏まえて綴った作品を集めてみた、ということです。・・・」

何となくですが、柴田よしきといえば、カタカナ使いのうまい作家。そんなイメージがわたしの中にあります。本書でも二篇、「フェアリーリング」、「ウォーターヒヤシンス」。最新刊も「シーセッド・ヒーセッド」・・・

カタカナ表題って、結構難しいんじゃないかと思います。軽すぎたり、暗示的じゃなかったり。「カタカナ表題の名手・柴田よしき!」健在なり。


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