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酔いどれに悪人なし [book] [~'23海外編]

ケン・ブルーウン/早川書房/お薦め度 ★★★★

主人公の設定がなんともいい。酒と本が友達の私立探偵。題名もいい、「酔いどれに悪人なし」。酒飲みのわたしとしては、ついついうれしくなってしまう。うれしさ序でに、2004年MWA賞最優秀長篇賞ノミネート作。

洒落た台詞。そのひとつは、「本は選択肢をあたえてくれる」「選択肢って何?」「自由だよ、坊主」

ふたつめは、「お前は読書家だ・・・というより犯罪小説の専門家だ」「まあな」「ジム・トンプスンの『内なる殺人者』は読んだか?」「読んでない」「最高傑作を読んでないとはな」

酔いどれ私立探偵、ジャック・テイラーの依頼された仕事は、自殺したとされている娘の死の真相。乗り気じゃないのか、やる気がないのか物語はくねくねと流れる。おしゃれな台詞とそのくねくねさが何ともたまらない。「酔いどれに悪人なし」。

さすが、MWA賞ノミネート・シリーズ!?


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