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水底の森 [book] [柴田よしき]

柴田よしき/集英社/お薦め度 ★★★★★

高見風子は、小学生の時に母親と生まれ故郷を出ている。父親に追い出されたんだ。母親は浮気をしていて、風子のことも自分のタネじゃないと父親が疑った。母と娘は金沢に行き、貧乏暮らしをしていたんだが、やがて母親の姉夫婦を頼って京都に行った。きっかけは火事らしい。金沢で借りていた借家が貰い火で丸焼けになり、新しいところを借りる金が工面できなかったんだ。京都で姉夫婦と暮らし始めてすぐ、母親は病にかかって入院した。そして風子は、母の姉の夫、つまり血の繋がらない叔父から性的な嫌がらせを受けるようになった。それに耐え切れなくて彼女は高校卒業と同時に金沢に戻り、水商売に入った。働いた金は、母親の入院費と看護代の名目で、叔父にほとんど吸い取られていた。そんな中でも彼女は恋をした。普通のサラリーマンだった。結婚を考えていたらしい。だが結婚は出来なかった。店の客の無理心中に巻き込まれて死に損なって、病院から出た時には婚約者とは連絡がつかなくなっていた。その後彼女は金沢を離れて東京に出た。それから数年の足どりがまだ掴めていないが、ともかく彼女はひとりの男と結婚した。その男はなぜか、彼女が金沢で恋した男の名前をかたって暮らしていた。

重参で指名手配された女、高見風子。顔なし殺人を捜査する刑事、遠野要。いつしかふたりの逃避行が始まる。風子という女に関わる愛と憎しみの数々を辿るために・・・

はじめて手にする作家。まさしく高村薫、桐野夏生の後継者。なぜ未読だったのだろうか?何冊か読むことにしよう。


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