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襲名犯 [book] [江戸川乱歩賞]

sample1.jpg竹吉優輔/講談社/お薦め度 ★★★☆

本年度江戸川乱歩賞受賞作

死刑になった連続猟奇殺人事件犯を崇拝する人間が、模倣犯、襲名犯を行うという話。

選者のひとり、石田衣良が「今の時代の空気を感じさせてくれる新人の作品が読みたいのだ。ついでにいえば、普通の殺人事件が起きる現代ミステリーをもっと読みたい」、と。

異議なし!

追伸:高視聴ドラマ「半沢直樹」の原作者、池井戸潤も1998年に「果つる底なき」、金融サスペンス、で乱歩賞を受賞しているのですよ・・・


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カラマーゾフの妹 [book] [江戸川乱歩賞]

sample1.jpg高野史緒/講談社/お薦め度 ★★★☆

江戸川乱歩賞受賞作

ここ数年、なかなか手が出にくくなった江戸川乱歩賞受賞作、本書も同様。年末に至ってやっと手にすることに。

「カラマーゾフ事件」、父親が撲殺され、長男が逮捕、シベリア送りとなり、落盤事故で死亡、の13年後、次男、特別捜査官・イワンが事件の再捜査のため帰省するとこらから物語は始まる。

再捜査の最中、「カラマーゾフ事件」で名を馳せたゴシップ屋、担当判事が続けて殺され、三男・アレクセイの妻が失踪・・・怨霊のなせる業!?

イワンが多重人格者だったり、三男・アレクセイ、事件当時は見習い修道士、現教師、がテロリストだったり荒唐無稽な、近未来小説風な、展開へ・・・

来年こそはすぐにでも手にとれる作品が選ばれることを期待したい!!!


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よろずのことに気をつけよ [book] [江戸川乱歩賞]

sample1.jpg川瀬七緒/講談社/お薦め度 ★★★★

江戸川乱歩賞受賞作

「完盗オフサイト」/玖村まゆみとのW受賞、しかもW女性の江戸川乱歩賞

「不離怨願、あたご様、五郎子」と書かれ、三つの血判が捺された呪術符が殺された祖父の家から見つかる。孫の真由は文化人類学博士・仲澤に協力を依頼する。

祖父がボランティアで通っていた小児病棟、ひとりの女の子から発せられた祖父の言葉、「師走の月に雪なくば、よろずのことに気をつけよ」。

同一の呪術が施された第二の殺人事件、誰の呪いなのか?呪われる人物とは誰なのか?仲澤と真由の謎解きの旅は高知、山形、福島へ・・・

選者のひとり京極夏彦いわく、受賞作は「商品化される」ということをより意識すべきなのだろう、と。題材としては使い古された本書。そういう意味では「完盗オンサイト」の方がわたし的には、はちゃめちゃで面白かった。 


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完盗オンサイト [book] [江戸川乱歩賞]

sample1.jpg玖村まゆみ/講談社/お薦め度 ★★★★

江戸川乱歩賞受賞作

江戸川乱歩賞のファンとしてもなかなか手にすることがのできなかった受賞作・・・内田康夫の選評「マンガの原作程度にしか評価できない」

プロットが実に面白い。皇居にオンサイト、目標のルートについて情報をもたないまま最初のトライで完登し、550歳の盆栽、三代将軍、を失敬する、報酬は一億円。

エンタメ要素満載の一冊かと思いきや、そうではない。DVを受けた女性から男の子を預かる和尚、シャイ・ドレーガー症候群の元医師であり男の子の父親、國生建設会長・社長兄弟、元恋人が絡む展開。

みなまでは言えませんが、当初の目的が大きく違ったものになっていくラストは「オーシャンズ」的!?

ミステリーかと問われれば、「non!」 


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プリズン・トリック [book] [江戸川乱歩賞]

sample1.jpg遠藤武文/講談社/お薦め度 ★★★★ 

本年度江戸川乱歩賞受賞作

江戸川乱歩賞初の全15段、全面広告!?講談社の力のいれようがわかります

表題の通り、交通刑務所における密室殺人事件。

帯に「あなたは絶対に鉄壁のトリックを見破れない。そして必ず、二度読む」、と。然らばこちらも覚悟して読み進むことに。

近年、稀に見る傑作かといえば、「・・・」。

巻末に選考委員の選評あり、票が割れた選考の様子がうかがえます。大沢在昌の選評に近い感想を持ちました。

「視点人物が多すぎる。不要とも思える人物の視点まである。主人公だと信じていた人物が、実にあっさりと殺されてしまい、肩透かしをうけた」。

次作で勝負してほしいものです。


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誘拐児 [book] [江戸川乱歩賞]

sample7.jpg翔田寛/講談社/お薦め度 ★★★★ 

第54回江戸川乱歩賞受賞作

昭和21年、5歳の男の子が誘拐される。闇市の混乱のなか身代金をまんまと犯人にせしめられた挙句、男の子を見つけ出すことができなかった未解決事件。

15年後に起きた女性惨殺事件。ふたつの事件がいつしか繋がりを見せ始めることに。

母親が死際に残した言葉に翻弄される主人公、5歳までの記憶に母親の姿はない。もしや母親が誘拐犯ではと、自分探しがはじまる。

惨殺された女性のアパートは徹底的に家捜しがされていた。犯人は目当てのものを発見出来たのか?次第に女性像があきらかになっていく。

ふたつの事件の接点は病院、殺された女性が死んだ母親の付添婦をしていた。これ以上はもう言えませんが・・・

乱歩賞受賞作ですが、途中で読みかえしてしまう場面が何回かあったりして、状況説明不足のところもありますが、最後の最後まで話を引っ張っぱり、まとめあげたことは偉い!


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訣別の森 [book] [江戸川乱歩賞]

sample8.jpg末浦広海/講談社/お薦め度 ★★★★ 

第54回江戸川乱歩賞受賞作

本年度の受賞作のひとつ、もうひとつは「誘拐児」/翔田寛

ドクターヘリの機長・槇村は、出動中に墜落した取材ヘリからけが人を救出する。けが人はパイロットと記者、パイロットはかつて愛した部下・一恵だった。こつ然と病院から姿を消す一恵。

取材ヘリの回収に自衛隊が出動していることから事件はあらぬ方向へ進んでいく。女医と共に真相を追う槇村、そこには自衛隊を辞めることになった事件、知床の環境問題らが複雑に絡んでいた。

環境問題は少々唐突すぎますが、大自然のなかで繰り広げられる追跡劇、ドクターヘリの舞う姿など絵図らが目に浮かぶことが受賞の大きな要因のようです。難点は忘れて楽しんでください。

追伸:西村寿行の「犬笛」を思い出した人もいるのでは・・・


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沈底魚 [book] [江戸川乱歩賞]

曽根圭介/講談社/お薦め度 ★★★★ 

江戸川乱歩賞受賞作

毎年心待ちにしている江戸川乱歩賞、今年の出来は?

主人公は公安刑事。公安のイメージと言えば、陰湿、スパイ、エス、諜報・・・暗い、地味なものが多いはず。本書もそういう意味からすると成功の部類に入ると思いますが、捻りという点ではもう少し欲しかったなというのが率直な感想です。

公安ミステリーだけあった、どっちが本当なのかと疑いながら読み進むことは、イコール、著者の罠にはまること。「沈底魚」なんて公安ミステリーに相応しい表題ではありませんか!?

受賞後の作品をもう一度読んでみたいと思います。


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三年坂 火の夢 [book] [江戸川乱歩賞]

早瀬乱/講談社/お薦め度★★★★

本年度 江戸川乱歩賞受賞作

三年坂、そこで転んだら三年以内に死ぬ。

兄の死の謎を握る言葉「三年坂」、一高受験勉強を口実に上京する弟、勉強そっちのけで三年坂さがしに奔走する。一方、東京大火の中、疾風のごとく走り去った人力俥夫と三年坂の謎をさぐる英語講師。ふたの物語がいつしか交錯する。「三年坂」と「火の夢」が・・・

時代設定の妙、明治時代の東京が実に活きている。江戸時代の名残を残す区政、そこにまつわる物語。歴史とミステリーが絡み合い、なんとも言えぬ世界を描き出している。

結末は少々唐突だが、謎を漂わせる世界が勝った受賞作!?


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東京ダモイ [book] [江戸川乱歩賞]

鏑木蓮/講談社/お薦め度★★★★

本年度 江戸川乱歩賞受賞作

プロットの勝利!60年前、シベリアの俘虜収容所で起きた殺人事件、中尉斬首、を現在から解き明かす。ダモイとは「帰郷」。日本に帰ることだけを考え、生き延びてきた人たちの気持ちと事件の手がかりを「俳句」に託した構想が実にいい。

ここ数年の江戸川乱歩賞受賞作はどれをとってもレベルが高い。本書も書き込み不足の部分を、シベリア抑留という厳然とした史実が補ってくれている。プロットの勝利!

もう一冊の受賞作、「三年坂 火の夢」/早瀬乱は次回紹介したいと思います。


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