フリーファイア [book] [C・J・ボックス]
C・J・ボックス/講談社/お薦め度 ★★★★
ジョー・ピケット・シリーズ第六弾
猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ最新刊。
猟区管理官を解雇されたジョー、義父の牧場で牧童として働く、が州知事の特命、これが最後に問題になるが、を受け、陰謀が待ち受けるイエローストーン公園に向かう。
その特命とは、四名の若者を射殺したにもかかわらず、法律の抜け穴をつき釈放された弁護士事件の再捜査だった。
再捜査に対して現地のパークレンジャーの反応は冷ややかなもの、だたひとりジュディだけがジョーサイドにつき捜査協力。ジョーの隠れたサポート役にネイトがまわる。
殺人事件の被害者の上司がなにか語ろうとした矢先に殺害され、ジュディは被弾、ジョーの宿泊先が急襲と、危機迫るなか、ジョーの一家がイエローストーンへ。
家庭人として、職業人として、人間として、「ぶれない」ジョーだが、家族を守りながら事件を解決できるのか!?
裁きの曠野 [book] [C・J・ボックス]
C・J・ボックス/講談社/お薦め度 ★★★★
ジョー・ピケット・シリーズ第五弾
現代版西部劇!
釣りのガイドが牧場の女主人の嫌がらせに腹を立て彼女を川へ投げ込む。死体も見つからず行方不明。三人の息子、長男と二男の遺産をめぐる反目がエスカレートする。否応なく内輪げんかに巻き込まれるジョー。
一方、邪悪な殺人犯が長男の牧童頭として雇われ、ジョー一家に無言の嫌がらせを始める。
女牧場主の行方、嫌がらせに怯える家族、復讐に燃える殺人犯・・・ジョーを快く思っていない局長、無能な保安官らに不条理を強いられるジョー、ついに堪忍袋の緒が切れてしまう!?
水戸黄門的な筋書きなのだがついつい手にしてしまうシリーズ。猟区管理官を首になったジョーの行く末は次作へ・・・
さよならまでの三週間 [book] [C・J・ボックス]
C・J・ボックス/早川書房/お薦め度 ★★★★
自分たちの国は自分たちの手で護る
さすがMWA賞作家、シリーズものは講談社、ノン・シリーズは早川書房
MWA賞受賞作「ブルー・ヘヴン」と共通する現代版西部劇
折角、養子縁組で授かったアンジェリーナ。実の父親は悪ガキの少年。少年が親権放棄の書類にサインしていないことが事件の発端となる。
少年の父、連邦判事、の申し立てでアンジェリーナを三週間後に少年にかえさなければならなくなるジャック、メリッサ夫婦。
どうみても夫婦に勝ち目はない。友人の協力で判事一家の真意を探るジャック。アンジェリーナの親権を欲しているのは少年ではなく、判事だった。
結末に向けての展開はまさに西部劇、Bang Bang・・・ちょっと理解しがたい部分もあるが、自分たちの国は自分たちの手で護るという自主独立の精神がいかんなく発揮されている。
骨太の男たちを扱った、実にアメリカ的な一冊!?
震える山 [book] [C・J・ボックス]
C・J。ボックス/講談社/お薦め度 ★★★☆
猟区監理官ジョー・ピケット・シリーズ第四弾
ジョーの先輩・ウィル・ジャンセン、が銃で自殺、何があったのか。臨時として、単身、任地に赴くジョー。
ジョーを待ちかまえていたのは、傲慢な開発業者、動物開放ネットワークのメンバー、大物アウトフィッター・・・それにジョーの足を引っ張ろうとする副局長、保安官。
ウィルは事細かに、担当地区で起きたことをノートに記載していたが、直近の一冊が見当たらない。過酷な仕事の傍ら、ウィルの自殺の謎を追うジョー。
シリーズ第四作、少々中だるみ!? 妻以外の女性に心揺さぶられたり、事件解決の手段が素人だましだったり・・・大好きなシリーズだけに今回はちょっと残念。次作では強く、愚直なジョーを見たいものです。
ブルー・ヘヴン [book] [C・J・ボックス]
C・J・ボックス/早川書房/お薦め度 ★★★★
まさにジェットコースター・ノベル!?
既刊シリーズ、ワイオミング州猟区管理官ジョー・ピケット、と異なる長篇ノン・シリーズ
殺人現場を目撃した姉と弟、犯人は元警官の四人。殺されたのも元警官。
自力で犯人を捕まえることを唆し、まんまと保安官の代行に座る犯人達。ふたりの口封じこそが最大の目的。
ふたりが逃げ込んだ先は倒産寸前の牧場、老主人がふたりを匿い、犯人達に立ち向かう。なんともカッコいいストーリー。
ページ数は結構あるのですが、まさにジェットコースター・ノベルです。骨太の老牧場主がカッコいい!
表題の「ブルー・へヴン」とはリタイアした元警官が移り住むところ。
神の獲物 [book] [C・J・ボックス]
シリーズ第三弾、ただいま絶好調!
ワイオミング州猟区管理官、ジョー・ピケット・シリーズ
猟奇的な殺され方をする動物たち。顔の皮を剥がされ、性器をもぎ取られ・・・凶行は動物から人間に向けられる。
捜査本部が設置され、ピケットも召集されるが、迷走する本部に業を煮やし鷹匠の協力を得、単独捜査に乗り出す。
迷走する本部の犯人説が実に面白い。「カルト教団」、「政府の新兵器実験」、「テロリスト」、「変質者」、「鳥」、「エイリアン」・・・この辺が少々退屈な原因をつくっているのだが、そこは目を瞑っていただいて結末へ一気読み。
意外な事件の結末と同時に、今回もピケット家の家族愛が綴られたミステリーとなっていますぞ!
凍れる森 [book] [C・J・ボックス]
C・J・ボックス/講談社/お薦め度★★★★
猟区管理官・ジョー・ピケット・シリーズ
2002年、アンソニー賞最優秀処女長篇賞、バリー賞最優秀処女長篇賞、マカヴィティ賞最優秀処女長篇賞、ガムシュー賞最優秀処女長篇賞。四冠達成のシリーズ第二弾。
舞台を異にするが、現代版「大草原の小さな家」。本書はワイオミング州、インガルス一家はカンザス州。保守本流のアメリカを地で行く物語。ブッシュ大統領大絶賛!?
ワイオミング州―ロッキー山脈が縦断するワイオミング州は、平均標高はアメリカの中でコロラド州に次いで高い2,000メートル。豊かな自然に恵まれた地域で、人口は少なく、山間には数多くの野生動物が暮らしている。ワイオミング州の牧場で飼われている羊や牛の数も、全人口の2倍以上といわれ、動物の数の多さが際立ち、自然保護運動にに関する意識も高い州。最近でこそ、世界的に自然保護運動が活発になってきましたが、ワイオミング州は自然保護運動に関しては、世界をリードしてきた州―
そんな自然を舞台に、実直で、正義感の強い、家族の絆を大切にする男、ジョー・ビケットの孤軍奮闘する姿が眩しくもあり、我々を勇気付けてくれる。