生贄の門 [book] ['24 海外編]
マネル・ロウレイロ/新潮社/お薦め度 ★★★★
スパニッシュ・ホラー
脳腫瘍で余命いくばくもない9歳の息子をかかえる治安警備隊の捜査官ラケル。医師から見放されたラケルが最後の頼みの綱は奇跡の呪術医?そのために異動を申し出、小村に移り住む・・・
事件はその小村で起こる。心臓を抉り取られた娘と作業員の遺体が発見され、転勤早々のラケルとバディを組むファンは現場に赴く。
儀式めいた殺人事件、マドリッドと違い時間がゆっくり流れる田舎、検死報告書もなかなかあがってこない。ラケルとファンは自力で捜査を続けるが、ラケルの周辺で次々とオカルト的な出来事、闇からの囁き、亡霊、長衣の人々、が発生する。
猟奇的な殺人事件がオカルト・ミステリーへ、ラストではアクション・ミステリーへと変貌、読者を飽きさせない。
本書のキー・ワードは「冥界の門」、この世と別次元の接点、黄泉の国、死者の王国。