運命の証人 [book] [D・M・ディヴァイン]
D・M・ディヴァイン/東京創元社/お薦め度 ★★★★
1968年の作品
物語は法廷場面から始まる。事務弁護士で被告人のジョン・ブレスコットは他人事のように裁判の成り行きを見守っている。二件の殺人罪で裁かれているのに・・・
事件の発端は六年前にさかのぼる。ブレスコットの友人ピーターの恋人、ノラに出会い、虜になったことから始まる。ピーターとノラは婚約したものの、心配事?を抱えているように見えるピーターが首つり自殺をする。警察の下した結論は自殺。
事件後、ブレスコットとノラは結婚する。その5年後、もうひとつの殺人事件の被害者が明らかになる。これにはびっくり!
物語はやっと現在の裁判に追いつく。一件目はピーターは自殺ではなくブレスコットに殺されたのだ、と。更に二件目は殺人現場に居合わせたブレスコット、一件目より黒の確証が強い。
原題はThe sleeping tiger、ブレスコットのことを指している。ある女性のひとことで眠れる獅子、日本語で言えば、ブレスコットが目を覚ます。終章はブレスコットの逆襲。
安定感抜群のD・M・ディヴァイン、充分愉しまさせていただきました。
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