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ミラクル・クリーク [book] [~'23海外編]

sample5.jpgアンジー・キム/早川書房/お薦め度 ★★★★

MWA賞最優秀新人賞

高気圧酸素治療施設「ミラクル・サブマリン」を営むパク一家、妻のヨンは夫のパクから嘘をつくように頼まれた。こんな書き出しで始まるリーガル・サスペンス。

ダイブ中はカプセルから離れていけないことになっているが、その日、パクは抗議者に邪魔されそうになることを恐れ見回りに。ヨンにそのあとを任せていたが、ヨンは電池を取り換えるため席を立ち、自宅へ。なかなか電池が見つからず、娘メアリーの力をかりカプセルへ戻ろうとした時、火の手が上がる納屋が見えた。

一年後、放火殺人でカプセル内で亡くなった少年ヘンリーの母親エリザベスが逮捕され、裁判が始まる。

冒頭の数ページと容疑者エリザベスに違和感を感じながら読み進む。

登場人物それぞれの過去、現在が語られる。韓国人移民のユー一家。ミラクル・サブマリンの患者一号の放射線科医と内科医の妻一家。自閉スペクトラム症のヘンリーを持つエリザベス一家。同じく自閉スペクトラム症の息子を持ち、ヘンリー同様亡くなった母親キット一家。脳性麻痺のティーンエイジャーの娘を持つテレサ一家・・・

登場人物たちの小さな嘘の積み重ねが事件の真相をねじ曲げる。本当にエリザベスが犯人なのか!?

事件発生から一年後の裁判、なんでそんなに遅いの?警察も検察も時間がたっぷりあったのに?リーガル・サスペンスの形はとっているが倫理観を問う、言い換えれば身内が身内を裁く物語。ちょっと暗いかも!?

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