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グレイヴディッガー [book] [高野和明]

sample95.JPG高野和明/講談社/お薦め度 ★★★★ 

江戸川乱歩賞受賞第一作

「グレイヴディッガー」とは英語で「墓堀人」の意味。魔女迫害の機運がイングランドに及んだ頃、異端審問官たちが何者かによって虐殺されるという事件が起こる。魔女裁判と同じ拷問の方法を使って。

それに恐れをなした異端審問官たちが、魔女狩りを自粛したのではないかという。今となっては事件の真相は分からない。しかし、当時の人々は、拷問によって殺された男が墓の中から甦り、自分を殺した者たちに復讐をしたのではないかと噂した。そして、この甦った死者を、「グレイヴディッガー」と呼んだ。

まず、「グレイヴディッガー」ありき。このアイデアをとことん膨らませ、プロットを組み立てたというのが真相ではないか!?

わたし的には、「グレイヴディッガー」にとらわれすぎだと思う。江戸川乱歩賞受賞作「13階段」は圧巻なプロットの勝利だった。その構成力はいかんなく本書でも発揮されているが、奇をてらう必要はなかった。

小悪党が自ら罪滅ぼしのため、骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていた。戸籍を交換した相棒の死体を発見したことから、悪党の逃亡劇が始まる。

骨髄ドナーが最後になにを意味するのだろうか!?この辺で止めておきますが、第三弾も期待したいものです。

2002/08

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