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たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説 [book] [~'23 国内編]

sample1.jpg辻真先/東京創元社/お薦め度 ★★★★☆

シリーズ第二弾

初めて手にする作家、御歳88の米寿、上梓されたミステリ数は半端ない。しかも「名探偵コナン」の脚本も手がけいるとは恐れ入りました・・・

シリーズ第一弾は「深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説」、本書にも登場の那珂一兵が主人公らしい。

昭和24年、名古屋を舞台に旧制中学から新制高校の3年に編入させられ、男女共学がスタート、推研、映研のメンバー5人、男2人、女3人、と顧問の代用教員がおりなす青春みすてr。

戦後の名古屋の描写が新鮮?で実に興味深い。彼らがかかわる事件はふたつ、ひとつは密室殺人、もうひとつはバラバラ死体事件。一見本格ミステリぽい設定ではあるが、謎解きより動機が肝。

戦前、声高らかに戦意高揚を唱えていた人物が、昭和20年8月15日の玉音放送を聞かなかったことで起こる、悲しくも腹立たしい事件。それが表題の「たかが殺人じゃないか」。

謎解きは探偵の那珂一兵と推理小説研究部の部長、風早勝利が担当、脇を固める面々は昭和24年だからこそのキャラ立ち、特に「クーニャン」こと咲原鏡子の存在感は群を抜いている。推理小説と映画の話がふんだんに盛り込まれているのも青春ぽい。

表題の一文ありきでこの小説を書きあげる発想力に脱帽!

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