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オペラ座の怪人 [book] [~'23海外編]

sample10.JPGガストン・ルルー/角川書店/お薦め度 ★★★★

十九世紀、パリ。オペラ座の地下に潜み、心を閉ざしたまま闇の世界を支配する怪人。男はその醜い容姿ゆえに、それまで愛というものを知らなかった。オペラ座の歌姫に生涯ただ一度だけの恋をするまでは。だが、ある晩、あの運命の事件は起こり、男は傷ついた心を抱え、忽然と闇へ消えた。その行方は杳として知れなかった。

ガストン・ルルーは、わが国では「黄色い部屋の謎」の作者として知られている。「黄色い部屋の謎」は;密室殺人;をあつかった古典ミステリーであり、フランス推理小説の傑作でもある。「黄色い部屋の謎」の三年後、1910年に「オペラ座の怪人」は刊行された。

結論から言えば、「ホラー小説」にあらず、「恋愛小説」である。1910年という時代が「ホラー」の冠を与え、2000年という時代は「恋愛小説」の冠を与えた。いったん断筆宣言をしたフレデリック・フォーサイスが完結編を書こうとしたのは、「オペラ座の怪人」が恋愛小説であったからに他ならない。

ルルーの「オペラ座の怪人」に続く
フォーサイスの「マンハッタンの怪人」、ぜひ、読み継いでほしい。

2000/03


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